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鮎原物語 (1)

鮎原が試練を終えたら転校して、戻ってくると信じていた
明文めいぶん 中バレー部の元クラブチームメンバー達はショックを受けた。

明文中学バレー部とは、中学バレーの頂点に君臨する学校である。
高校との付属になっており、スポーツに秀でた者を全国から集めているためどの部も全国区の実力を持っている。
中でもここ数年全国制覇を続けている女子バレー部は学校中の英雄、パンフレットでも顔を飾る存在であった。

そして、鮎原が小学生の時所属していたクラブチームはこの明文中学の上層部がが作ったチームで、いわば未来の明文を背負うバレー選手の養成所である。

そこでエースであった鮎原が帰ってこない…。
それは明文バレー部員にとっては戦力的、精神的に大きな打撃であった。

しかし彼女達もスポーツマンだ。
いない人を嘆くよりも鮎原が入るはずだった分の戦力を埋めようと今まで以上に練習に励むのであった。

再び、コートで巡り会う日を楽しみにして…。

しかし、鮎原の事を快く思っていない者もいた。
明文中バレー部の監督である。

小さい頃から目をかけて、あそこまでの選手にしてやったのに肝心な所で逃げられるとは….。
飼い犬に手を噛まれるとはこの事だ。
全国のバレーボーラーの憧れであり、目標とされる明文中学バレー部よりどこぞの田舎中学を選ぶとは…許せん!

「ぶっ潰してやる…。」

自分が育てた犬一匹にやられる明文ではない。
しかし奴はここ何十年に一人と言う逸材だった…。
犬一匹にこっちがやられるなんていうバカな事になる前に奴は潰しておこう。

そして監督は全国の明文の息がかかった中学校に電話をした。

「鮎原を潰せ」と…。

これから鮎原のバレー部にはたくさんの練習試合の申し込みがやってくる。
鮎原陣営の監督は怪訝に思ったが、申し込みを受ける事にした。
チームワークも良くなり、鮎原のプレイに付いて行く事で、この短期間にメキメキと実力を伸ばして行ったこのチームの力を試してみよう。そう思ったのだ。

こうして、鮎原の全国への挑戦、
ひいては明文中学への挑戦が始まるのであった…!

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